前回に引き続き足関節記事を書かせて頂きました山下裕太です。
前回記事を読まれていない方はそちらも併せて読んでいただけるとより足関節に対して理解が深まると思いますのでぜひ!!!
今回は、【足関節捻挫で評価するべき2つのこと】をまとめました。
足関節捻挫はスポーツ動作において頻発する怪我ではあるが、一般の人も日常生活で足を捻ったりすることは多々あります。
臨床では、よく見る症例の1つでは無いかと思います。また、既往歴に持っている人も含めるとその数はとても多いように思います。
病院によってはリハビリオーダーが出ない病院もあるとは思いますが、知っておいて損は無い知識ですので一緒に学びましょう。
足関節捻挫とは
外反捻挫と内反捻挫に分けられます。
発生頻度として高いのは、圧倒的に内反捻挫であり、捻挫の内67%~85%程度が内反捻挫となります。
受傷機転は底屈ー内反(背屈でも受傷の報告もあり。)
なぜ、内反捻挫がこんなにも多くなるのか考えてみましょう。
<構造学的な視点>
・足関節の外果が内果よりも遠位にあるため必然的に内反方向へ動きやすい
・ROMでは内反が20°、外反10°である
・距骨滑車の前方よりも後方が狭いことで底屈時の遊びが大きくなります。(距骨の不安定性)
<機能学的な視点>
・着地動作などでは底屈位で内転・内反位になりやすい
・ストップ動作などで小趾を使えない事が多い
以上から変えられるものと変えられないものがあるという視点を持ちながら介入していきましょう。
評価は何をしたらいいの?(疼痛検査を中心に)
・足関節他動底屈
・足関節他動背屈
めちゃくちゃ単純な動きです。どんなセラピストもこの動きは見ると思いますがしかし、なぜその動きを見るのかを明確化していきましょう。
・足関節他動底屈
➡️前距腓靭帯の損傷を示唆
・足関節他動背屈
➡️関節内腫脹、前方インピンジメント
また、背屈位での外旋にて疼痛誘発されれば前下脛腓靭帯の合併損傷を示唆します。
疼痛減弱テストも併せて行いましょう。
・足関節他動底屈+距骨外旋誘導
➡️距骨内旋アライメントを修正するべきと判断

・足関節他動背屈+距骨後方滑り誘導
➡️距腿関節のアライメントを修正するべきと判断
疼痛減弱しなければ、関節内腫脹による疼痛と判断し、炎症管理へ

疼痛誘発を行うことで…
靭帯の損傷の程度を確認し、疼痛の強さを確認し運動強度の設定の目安にもなります。
ただ、その動作自体が靭帯に負担が掛かる動きであるため頻回に行うことは避けましょう。患者からしたら痛いことをひたすら繰り返してくる嫌なセラピストだと思われますのでご注意を。笑
今回は足関節捻挫の基本的な部分と評価ポイントをまとめました。
ここで挙げた評価はほんの一握りです。
筋肉の評価や動作分析なども必須になる評価ですので今後お話出来たらと思います。
ご覧頂きありがとうございました。
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