グロインペイン〜知識編〜

どうも、ライターの原良佑です!

 

今は至るところでコロナの影響が出ていますね・・・。

私がサポートさせて頂いているチームも現在は休校で、もちろん部活動も中止の状況です。

多くの学校でも部活動などが行われていない状況だと思います。

こんな状況だからこそ、部活動が再開した際に予想される怪我に対して準備しておくチャンスです。

今回は『グロインペイン 〜知識編〜 』です。

知識を整理・up dateして、次の評価や治療に生かしていきましょう!!

 

グロインペインとは

鼡径周辺部の痛みは全てグロインペイン(groin pain:GP)と言われています。

具体的には、剥離骨折、肉離れ、疲労骨折、股関節唇損傷など器質的病変がある例が含まれています。

その中で問題になるのは、復帰が長引く難治性グロインペイン(以下、難治性GP)と言われています。

 

難治性GPの病態としては

「恥骨周囲の微細損傷、恥骨結合のdisc破綻、恥骨結合・骨盤・全身の機能不全が互いに関与しあって慢性化する」と考えられています。

よく起こる部位に関しては以下の図の通りです(図1)。

 

 

グロインペインの診断

 

私たちセラピストが診断することはないですが、Dr.がどういう部位を診ているかを知るかは大切です。

押さえておきたいものを以下に挙げているので、早速確認していきましょう。

 

恥骨浮腫(以下、BMO)

これまではGPにおけるBMOの臨床的意義は不明でした。

MRIにて恥骨筋付着部に浮腫が確認できます。

現在ではBMOも器質的疾患の所見の1つとして分類されています。

 

腸腰筋損傷

腸腰筋損傷は2種類に分けられています。

その見分け方はMRIのSTIR画像で高輝度陰影で判断されます。

 

腸腰筋肉離れ:腸腰筋内に明確な高輝度陰影が広く認められる

腸腰筋腱周囲炎:腸腰筋腱周囲に淡い高輝度陰影が薄く認められる

ポイントは陰影の「場所」と「鮮明さ」、「範囲」を確認することで見分けることができます。

 

これは余談ですが・・・

腸腰筋周囲炎>腸腰筋肉離れと比較して、“復帰に長期間を必要“でBMO

合併率が高いことも報告されています。

 

内転筋腱付着部微細損傷

 

難治性GPの原因として診断がつかないことが多いと言われているのが、この内転筋付着部微細損傷と考えられています。

 

MRIにて判断されるポイントは

・恥骨上枝のsuperior cleft sign

→腹直筋腱〜長内転筋腱恥骨付着部 微細損傷指標

・恥骨下枝のsecondary cleft sign

→薄筋などの短内転筋群の恥骨付着部 微細損傷の指標

*ちなみに2つの状態を合わせてCSと言われます。

 

疼痛部位としては、恥骨周囲、下腹部、睾丸後方、肛門の横、坐骨内側の痛みの原因になることが多いです。

 

長内転筋腱付着部完全断裂

 

他の損傷などと比較して症例数は極めて少ないです。

MRIにて確認が可能ですが、特徴としては明らかな受傷機転と激痛が生じやすいです。

手術療法と保存療法とありますが、意見が分かれており未だ結論が出ていないのが現状です。

 

仁賀定雄の報告によると

16〜40歳のスポーツ選手390例の鑑別診断の結果を7つのタイプに分けると以下の通りです。

BMO+その他の所見合併:27%

筋損傷単独:18%

BMO単独:13%

股関節インピンジメント単独:4%

CS単独:3%

その他の所見:19%

(上記5つの分類に該当しない組み合わせも含む)

MRI所見なし:16%

*その他所見:剥離骨折、疲労骨折、腸腰筋腱周囲炎、CS、筋損傷、股関節インピンジメントなど

 

 

グロインペインの定義を押さえておこう

 

今までのグロインペインの定義は以下の通りです。

『器質的な病変を認めない機能不全によるGP』

仁賀定雄によると最近の研究では、MRIの器質的病変を認めない割合は約10%まで減少しているとの報告があります。

そのため新しくなった定義では、

何らかの器質的疾患発生に関与し、運動時に鼡径周辺部にさまざまな痛みを起こす症候群』

ということは、ほとんどの症例ではMRI病変を見出すことができるということです。

日々情報は更新されているので、情報収集は大切ですね!

 

ただし、ここで注意しておきたいことがあります。

それは情報の伝え方についてです。

MRIの病変が消えるまで休まないと復帰できないと選手は誤解を招く恐れがあります。

なのでセラピストはMRI病変を生み出した(あるいは関与している)機能不全を評価・改善することが重要であることを理解してもらえるようにしましょう。

*もちろん、プロトコールやDr.へ患部の状態変化や復帰時期を確認することは忘れずに!

 

まずはグロインペインの現時点での知識を整理する一助となって頂ければ幸いです。

次回は『グロインペイン評価編』を予定しています。

やっと皆さんが気になる所だと思います、お楽しみに!!

最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。

この情報があなたにとって有益なものになれば幸いです。

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からだの専門家の理学療法士。 一般向け・セラピスト向けにからだに関する知識やトレーニング方法をお伝えしています。詳しい情報はプロフィールから!!

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