内側広筋とExtention Lag

前回はラテラルスラスト、立脚初期の筋収縮、大内転筋の評価について説明しました。たくさんの事を凝縮して説明してしまったので、今回は少しずつ焦点を絞って“内側広筋とExtention Lag”について説明していきます💡
 
Extention Lagとは他動的には完全伸展可能だが、自動伸展が不可能もしくは最終域で不可能となる現象
今まで臨床実習でExtention Lag(以下Lag)があったら内側広筋に着目したらいいよね?って習いませんでしたか?
僕はそう習っていましたし、そうやって指導もしていました…。でも最近ではそれが覆される研究発表もされています。
確かに、僕も臨床上Lagがあった時に内側広筋に着目しますが内側広筋だけが原因じゃない事もありました。逆に内側広筋を賦活させるような事をしても良くならない経験もしています。

Lagはどのように臨床と関係するのか…?

 

膝伸展機能障害とも言われています。考えられる事とすれば
  1. 歩行時のダブルニーアクションが消失
  2. 膝折れしやすくなる
  3. 筋による制御が出来ない分、骨や半月板の負担増加
などが考えられます(他にもまだまだ繋げて考えられますが…)

膝伸展最終域までの可動域が必要なのか?

 

膝伸展位では骨、関節包、靭帯の安定化支持機構というものがあるためです。
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そもそもLagの原因が内側広筋の筋力低下と発表されたのが1955年です。半世紀前のものなので見方が変わるのも頷けるほどの時間経過です。
現在分かっている事は
  • 膝伸展最終域で内側広筋の筋活動増加しない
  • 膝伸展角度と大腿四頭筋各筋の働きに差はない
  • 献体研究で内側広筋のみでは膝伸展不可能であった
  • 内側広筋に麻酔をかけた状態でも膝伸展最終域まで可能かつ、伸展筋力に変化はなく階段昇降も可能であった
研究条件の詳細はわかりませんが、上記が報告されています。

※ちなみに膝伸展トルクの寄与率は外側広筋が約4割。

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上記からLagが生じた時に考えてみた方がいい事はいくつかあります。
  1. 拮抗筋であるハムストリングスなど大腿後面の筋群柔軟性低下
  2. 痛みや腫脹によるもの
  3. そもそも大腿四頭筋筋力が弱い
上記を考えてみるのも1つです。そして上記の項目は派生させて考えていく事もできます。今回は3)で派生させて考えてみましょう!!
 

大腿四頭筋筋力が弱い?

 

筋力の評価はMMTor徒手筋力測定器(ハンドヘルドダイナモなど)、BIODEXなどがあります。一般的なのはMMTなのでMMTにしておきましょうか…笑

MMT→代償の有無→代償があれば改善、なければ単純に筋力低下?とざっくり考えてみましょう。

筋力低下していると代償動作が生じる傾向があると僕は考えています(バリエーションは様々)。
膝伸展の代償動作といえば”股関節の内旋”です。臨床上どうなのかな?ってよく思います…笑
ご自身で伸展の代償を股関節内旋で行ってみてください。
僕は大腿筋膜張筋(TFL)あたりが過剰に収縮しています(個人差はあると思います)。
TFLによる代償がある場合はTFLのリラクゼーションやストレッチ、徒手押圧などを行ってから再度MMTをチェックしましょう。動きが変わって可能であればそれでいいですし、まだ不可能だけど代償は抑えられている場合は筋力トレーニングに移行すべきではないでしょうか?
だいぶ読みにくいと思いますが、このように色々な仮説検証を行う事は臨床上非常に大事ですし、バリエーションは様々です。
こんな推察もあるんだなと参考にしていただければ幸いです💡
 

まとめ

Lagがあったら“内側広筋の機能低下”と短絡的に考えるのはやめましょう笑
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からだの専門家の理学療法士。 一般向け・セラピスト向けにからだに関する知識やトレーニング方法をお伝えしています。詳しい情報はプロフィールから!!

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